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001狼と子キジ

角が大きくなってきた小さな子ヤギは、
(もう僕は
大人の雄ヤギだぞ、
自分のことは
自分でやれるよ)
思いました。
そこである夕方、
群れが牧草地から帰りだして
お母さんヤギが呼んでも、
子ヤギは
耳を傾けないで
柔らかい草をかじり続けました。
((硬いものの一部を少しずつ歯でかんで削りとる。) ねずみが柱を齧る。)
少し経って
頭をあげてみると、
群れはいなくなっていました。

子ヤギは全くひとりでした。
太陽がもうすぐ沈むところで、
長い影が
地面の上を忍び寄ってきました。
影と一緒に
冷たい風が
草にぞっとする音を立てながら
(「ぞっと」は副詞で、
悪寒や恐怖の念などが身体を抜けていくように感じるさま。 
「ぞっとしない」という用法もあり、
こちらは「感心しない」というほどの意味で用いられる。)
吹いてきました。
子ヤギは
恐ろしい狼のことを考えて震えました。
そうして
お母さんを探して
メエメエ鳴きながら、
野原をやみくもに走りました。
(闇雲. 読み方:やみくも. 前後の思慮もなく、無闇と云ふこと。)
しかし、
半分もいかないうちに
木の茂み近くに狼がいました!

子ヤギは
助かる望みがほとんどないとわかりました。

「お願いです、狼さん」

子ヤギは
震えながら言いました。

「あなたは僕を食べようとしているんですよね。
だけど、
先に一曲吹いてくれませんか。
だって
僕は踊ってできるだけ
長く楽しくしていたいから。」

狼は
食べる前に
少し音楽があったほうがいいな
思いました。
それで、
明るい曲を吹き始め、
子ヤギは
陽気に
とんだり跳ねたりしました。

その間に
群れは
ゆっくりと
家へ向かっていました。
静かな夕方の空気中に、
狼の笛の音が
遠くまでひびきました。
羊飼いの犬たちが
耳をそばだてました。
そして、
狼が
ご馳走を食べる前に
その歌を歌っているのだとわかり、
すぐに
牧草地へ走り戻っていきました。
狼の歌が
ふいにとだえました。
(続いていたものが、途中で切れてなくなる。)
狼は、
犬たちに追いかけられて逃げながら、
(おれはなんて馬鹿だ、
肉屋の仕事だけしていればいいものを、
子ヤギを喜ばすために
(〔うれしがらせる〕;〔満足させる〕
息子の言葉は父親を喜ばせた.
彼はいつも人を喜ばせるようなことを言う.)
笛吹きに変わるなんて)
思いました。

Do not let anything turn you from your purpose
他のことに気をとられて
本来の目的を忘れては
いけません
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