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006キツネと木こり


猟師に追われたキツネが、木こりの姿を見つけて、
「お願いです。わたしをどこかへ隠して下さい」
と、頼みました。
 木こりは、
「わたしの小屋に入って、隠れていなさい」
と、キツネをかくまってくれました。
 間もなく、そこへ猟師たちが駆けつけて来ました。
「尋ねるが、キツネを見かけなかったかね」
と、猟師たちは木こりに尋ねました。
「いいえ、見ませんでしたよ」
と、木こりは答えましたが、手ではキツネの隠れている小屋を指差したのです。
 猟師たちは木こりの合図には気づかず、木こりの言葉だけを聞いて向こうへ行ってしまいました。
 キツネは猟師たちが遠ざかるのを確認すると小屋から出て、何も言わずに立ち去ろうとしました。
 すると木こりは、
「やい、礼儀知らずのキツネ! わたしがお前を助けてやったのに、一言もお礼を言わずにいく気か!」
と、キツネに言いました。
 するとキツネは、こう答えました。
「あなたの手つきが、あなたが口で言う事と合っていたら、わたしだってお礼を言うのですがね」

 このお話しは、口先では偉そうな事を言いながら、卑怯な事をする人に当てはまるお話しです。

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狐が犬たちに追いかけられ、樫の木を切っている木こりに出遭い、安全な隠れ場所を教えて欲しいと頼みました。

木こりは、自分の小屋に避難すればいい、と教えました。

狐はそっと入り、隅に隠れました。

数分後、狩人が猟犬とともにやってきて、木こりに狐を見なかったかと尋ねました。

木こりは見ていない、と断言しましたが、話している間ずっと、狐が隠れている小屋の方を指さしていました。

狩人はその合図に気がつかないで、言葉の方を信じ、急いで追跡を続けました。

彼らが十分遠ざかると、狐は木こりに見向きもせずに出ていきました。

そこで木こりは呼びかけて、狐を非難し、言いました。「この恩知らずめ、私のおかげで命が助かったのに、感謝の一言も言わないで出ていくんだな。」

狐は答えました。「確かに、あなたの行動が言葉と同じなら、とても熱心に感謝したでしょうがね。」
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