狼と神殿に追い込んだ子羊
狼が子羊を追っていました。
子羊は神殿の中に逃げ込んだ。
狼は、
「そんなところにいて、
神官に見つかってみろ。
神様の生け贄に捧げられてしまうぞ。」
と
脅かして、
子羊を呼びだそうとしました。
すると、子羊は言いました。
「狼に食われるよりは、
神様の生け贄のほうにされるほうが、
よほどましというものです。」
追いつめられて、
死に臨んだ時、
名誉ある死を選ぶのがよい。
狼が仔羊を追いかけていて、仔羊は神殿に逃げ込みました。狼は境内から出てくるようにせきたてて言いました。 「もし出ないなら、神父がきっとお前を捕まえて、祭壇に生け贄に供えるぞ。」 それに対し、仔羊は答えました。 「有難う。僕は今のところにいることにするよ。狼に食われるよりいつでも生け贄になる方がましだ。」 | イソップ童話概説261.狼と子羊 (原文ママ) 狼が仔羊(こひつじ)を追いかけていた。神殿に逃げこんだので、呼び出そうとして、神官に捕まったら神様への生贄(いけにえ)にされるぞ、と言うと、仔羊の答えるには、 「お前に殺されるくらいなら、神様の生贄になるほうがましだ」 死ぬと決まった人には名誉ある死に方の方が望ましい、ということをこの話は解き明かしている。 |